2015年度の立正佼成会一食平和基金宮城県復興支援事業「復興まちづくり協議会等事務局ステップアップ助成」に申し込み頂きました、気仙沼市の八日町復興まちづくりの会に、助成金を取得するに至った経緯と、助成金を取得した後の状況について、代表 島田英樹様よりお伺いいたしました。
気仙沼市八日町において、地権者・商業者・住民自らがまちづくり計画を検討提案することを目的に2012年設立。専門家の協力を得ながら、まちづくり計画の作成、提案を行う。ニュースの発行。
復興公営住宅の集会所を地域に開き新たなまちづくり拠点に
助成金活用後の地域との関係について
2015年の助成金では、①仙台市と石巻市の福祉施設の視察と学習会、②広報紙の発行に取り組みました。そもそもこの団体は、仮設住宅の集会所で大学関係者やNPO、商店主などが集まって「商店街だけではなく地域全体の復興が大切」という話をしていました。
やがて、この地域に復興公営住宅を持ってきて、そこに高齢者も子供も集まれる場所を作れないか、さらには集会所も持ってきたいという話となり、「福祉カフェ」を作ろうということに発展していったそうです。
また、この地域が区画整理外の地域だったこともプラスに作用したのかもしれないとのこと。地区内に建設される11戸の災害公営住宅の1階部分に福祉カフェ・集会所をもうけるという計画で地域の交流拠点としての機能を持たせることを提案しました。現在は、助成金による視察・学習の成果を活かして、水・木・金の11時半〜13時半のランチタイムに社会福祉法人との連携により障害者が対応する福祉カフェを実現しています。
こころの復興事業としては、防災・減災とまちづくりをテーマにした照明実験を提案しており、2017年には実験を予定しています。2016年11月には気仙沼小学校が防災MAPづくりをして課題を見つけた中に町中に避難する際に暗い場所があることが発表されました。今後は、県のコミュニティ形成補助金を活用して地域内の交流企画を福祉カフェ・集会所を拠点にして実現したいと考えています。
八日町復興まちづくりの会の活動の軌跡
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今後の課題
今後は、事務局に専従のスタッフを入れて、継続性のある小規模のまちづくりを目指す活動をしていきたいとのことです。そのための資金調達が今後の課題です。ほかの団体の事務局代行をするなどして人件費を捻出するということなどを検討しています。
ステップアップした点とこれから
予定通りに八日町内に福祉カフェを開設したことです。オープニングには、町内の多くの方が参加され、文字通りまちづくり拠点が誕生しました。また、照明実験をするための資金調達も実現するなど、防災・減災の取り組みも進んでいます。
助成金事業の内容
事例視察(山形・福島のまちづくり会社)、勉強会(WEB)、WEB作成
れんぷくから見た八日町復興まちづくりの会の助成金活用について
れんぷくの関わり
気仙沼市八日町のまちづくり事業については、本助成事業の他に復興庁の復興支援事業のご紹介などを行ってきました。八日町地区のみなさんに対しては復興の区画整理事業エリア外だったこともあり、自分たちで復興を切り拓く強い意志を感じています。私たちからは2017年度は住民コミュニティの補助金アドバイスなどをご提供する予定です。
助成金活用を検討している方へのポイント
仮設住宅に集まって、様々な立場の人たちが地域の交流拠点が必要と考え、それを実現するにはどうしたら良いかを突き詰めた点がとても印象的です。それを実現するためにそれぞれの強みを活かしあいながら、地域の状況に合わせて拠点づくりの実現に至ったプロセスは、地域づくりや、これから新たにコミュニティ形成を考える被災地の課題解決のヒントになりそうです。